食事と腸内環境から、体の不調を見つめ直す
「しっかり休んでも疲れが取れない」「お腹の張りや便通の異常が続く」「肌荒れが気になる」——。
このような慢性的な不調には、食生活や消化管の働き、栄養状態など、さまざまな要因が関係している可能性があります。
大樹寺内科クリニックでは、一般的な内科診療に加え、食事と体調の関係や腸のバリア機能にも着目し、必要に応じた検査と栄養面からの健康管理をご提案しています。
1.遅延型フードアレルギーとは?
食物アレルギーには、食べた直後からじんましんやかゆみ、呼吸器症状などが現れるタイプ(即時型) のほか、特定の食物によって時間をおいて症状が現れる病態(遅延型)もあります。
食物IgG抗体検査は、遅延型アレルギー検査で用いられ、一般的な即時型食物アレルギーの検査で用いられるIgE抗体検査とは異なります。IgG抗体は、免疫機能を担うBリンパ球から分化した形質細胞によって産生される抗体の一種です。
食物に対するIgG抗体は、食物アレルギーのない健康な方にも認められ、日常的に摂取している食品に対して検出されることもありますので、数値が高い食品がアレルギーや体調不良の原因であるとは限りません。そのため、食物IgG抗体検査だけではなく、リーキーガット症候群の有無や程度の評価を行うことが重要です。
1.リーキーガット症候群とは?
リーキーガット症候群(Leaky Gut Syndrome)は、一般に「腸もれ」とも呼ばれ、腸の内側にある粘膜のバリア機能が変化し、腸管の透過性が高まった状態を指す言葉です。
腸には、食べ物から栄養素を吸収する一方で、細菌や有害な物質などが体内へ侵入するのを防ぐ「腸管バリア機能」が備わっています。この機能が変化すると、通常よりも物質が腸管壁を通過しやすくなる可能性があります。
このように本来は移行しないはずのものが腸から漏れ、血管を通じて体内に入り込むことが身体のさまざまな不調をひき起こしているのではないかと近年、注目を集めているのです
リーキーガットの状態では、未消化のタンパク質粒子がそのままの形で血中に漏れ出てしまいまい、これらの未消化タンパク質を、体の免疫システムは「異物」「侵入者」と認識します。そして、これらの侵入者を排除するために、防御反応としてIgG抗体を大量に産生し始めるのです。
ですので、複数の食品に高いIgG反応が出た場合に、腸管バリアは傷ついており(リーキーガット)、これらの食品が未消化のまま血中に漏れ出し、免疫系に過剰な刺激を与えている証拠になります。
つまり、多数の食品に対する高いIgG反応は、何十種類もの食物アレルギーがあることを意味するのではありません。それは、腸管バリア機能が破綻していることを示す、極めて強力な間接的指標になります。
検査について
食事と体調の関係や、腸の健康状態が気になる方に向けて、当院ではフードアレルギー検査と腸管バリアに関連する検査をご用意しています。
ご自身の食生活や体調について考えるきっかけとして、検査をご活用ください。
1.IgGフードアレルギー検査
食品に対するIgG抗体を測定する検査です。さまざまな食品に対するIgG抗体を調べることで、食事と体調の関係について考えるための情報を得ることができます。
① IgGフードアレルギー検査(120項目)
料金:42,000円(税込)
日本人の食生活に馴染みのある食品を中心に、乳製品、野菜、果物、肉類、魚介類、ナッツ、穀類、コーヒー、スパイス、海藻など、120項目の食品を検査します。
幅広い食品を対象としており、日頃の食生活を見直す際の参考にしたい方におすすめです。
② IgGフードアレルギー検査(219項目)
料金:60,000円(税込)
120項目の検査よりも幅広く、ハーブやスパイス類などを含む219項目の食品を対象とした検査です。
さまざまな食品について詳しく調べたい方や、多様な食材を日常的に摂取される方に適した検査です。
2.腸管バリア検査
腸管バリアとは、腸の粘膜が備えている、体内への異物の侵入を防ぐための仕組みです。
腸管バリアの機能に関心がある方に向けて、当院では腸管バリアに関連する抗体を測定する検査をご用意しています。
① FIT22+腸管バリアパネル検査
料金:33,000円(税込)
健康への影響が注目される「リーキーガット(腸管バリア機能の低下)」に着目した検査です。
フードアレルギー検査と腸管バリアパネル検査を組み合わせた検査です。
本検査の特徴
- 食品への反応を評価: 22項目の食品に対するIgG抗体・C3dを測定します。
- 腸管バリア関連マーカーを測定: カンジダ、ゾヌリン、オクルディン、LPSの4項目について、IgG抗体・C3d・IgA抗体を組み合わせた計8項目を調べます。
② FIT132+腸管バリアパネル検査
料金:85,000円(税込)
日本人に馴染みのある131項目の食品に対するIgG抗体・C3dを調べるフードアレルギー検査に加え、腸管バリアの状態を確認する検査がセットになっています。食品添加物9種類やカンジダも検査項目に含まれています。
主な特徴
- 食品への反応を確認: IgG抗体とC3dを測定し、131項目の食品に対する反応を調べます。
- 食品添加物も評価: 腸内環境への影響が懸念される9種類の食品添加物を検査します。
- 腸管バリアの状態を確認: 腸管上皮のタイトジャンクションなど、腸管バリア機能に関連する指標を調べます。
食事・消化・腸内細菌・腸管バリアを総合的に考える
腸は、食べ物の消化・吸収を担うだけでなく、免疫機能や全身の健康にも関わる重要な器官です。
腸内環境を整えるためには、食事内容だけでなく、消化・吸収の状態、腸内細菌のバランス、腸管粘膜の健康、さらには睡眠やストレスなど、生活習慣全体を見直すことが大切です。
当院では、こうした視点から腸の健康について考え、食生活や生活習慣の改善をサポートします。
STEP 1 Remove(除去)
腸に負担をかける要因を見直す
まずは、食生活や生活習慣の中に、腸の不調に関係している要因がないかを確認します。
- 食事内容の見直し: 特定の食品を摂取した際に症状が現れる場合は、症状との関連性を確認し、必要に応じて食事内容を調整します。
- 腸内環境への配慮: 食事の偏りや過度の飲酒など、腸の健康に影響を与える生活習慣を見直します。
大切なのは、必要な食品まで一律に制限するのではなく、症状や検査結果を踏まえて適切に対応することです。
STEP 2 Replace(補充)
消化・吸収に必要な要素を整える
食事から摂取した栄養素を効率よく利用するためには、消化・吸収の状態を把握することが重要です。
- 消化機能の評価: 食後の胃もたれ、腹部膨満感、下痢などの症状がある場合は、消化機能に関わる原因を検討します。
- 必要に応じた補充: 栄養不足や特定の消化機能障害が認められた場合は、その原因や状態に応じて食事指導や治療を行います。
消化酵素製剤やサプリメントなどは、すべての方に必要なものではありません。症状や医学的な必要性に応じて検討します。
STEP 3 Reinoculate(腸内細菌環境を整える)
腸内細菌のバランスを意識する
腸内には多種多様な細菌が存在し、互いに影響しながら腸内環境を形成しています。
腸内環境を整えるためには、日々の食事を通じて腸内細菌が利用できる栄養素を摂取することが大切です。
- 発酵食品の活用: ヨーグルト、納豆、味噌などを食生活に取り入れます。
- 食物繊維の摂取: 野菜、果物、豆類、海藻、全粒穀物などから食物繊維を摂取します。
- プレバイオティクスの活用: オリゴ糖など、腸内細菌に利用される成分を食事から取り入れます。
- プロバイオティクスの検討: 症状や目的に応じて、特定の乳酸菌やビフィズス菌などを含む食品・製品の利用を検討します。
腸内細菌の構成は個人差が大きいため、特定の菌を増やすことだけを目標にするのではなく、バランスのよい食生活を基本とします。
STEP 4 Repair(腸管バリアを健やかに保つ)
腸の粘膜を支える栄養と生活習慣
腸管粘膜には、必要な栄養素を吸収しながら、病原体などの侵入を防ぐバリア機能があります。この機能を健やかに保つためには、十分な栄養摂取と、腸に負担をかける要因への適切な対応が重要です。
- タンパク質の摂取: 肉、魚、卵、大豆製品などから、体の組織を維持するために必要なタンパク質を摂取します。
- ビタミン・ミネラルの確保: 亜鉛、ビタミンA、ビタミンDなどを含め、必要な栄養素をバランスよく摂取します。
- 脂質の質を意識する: 魚などに含まれるオメガ3脂肪酸を適切に取り入れます。
サプリメントによる補充は、栄養状態や医学的な必要性を踏まえて判断します。
STEP 5 Rebalance(生活習慣を再調整する)
腸の健康を支える生活習慣を身につける
腸の健康は、食事だけで決まるものではありません。睡眠、運動、ストレスなど、日々の生活習慣も大切な要素です。
- ストレス管理: 自分に合ったリラクゼーション方法を取り入れ、心身を休める時間を確保します。
- 質の高い睡眠: 規則正しい生活リズムを心がけ、十分な睡眠時間を確保します。
- 適度な運動: ウォーキングなど、無理なく継続できる運動を取り入れます。
- 食生活の継続的な改善: 多様な食品をバランスよく摂取し、食物繊維や発酵食品なども活用します。
一時的な対策だけでなく、無理なく続けられる生活習慣を身につけることが、長期的な健康維持につながります。
腸の健康について、一緒に考えてみませんか?
腸の不調には、食生活、感染症、消化器疾患、薬剤の影響など、さまざまな要因が関係することがあります。
当院では、症状や食生活についてお話を伺い、必要に応じて検査を検討しながら、一人ひとりの状態に合わせた対応を考えていきます。


