CT検査とは
CT検査とは
CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)とは、X線を身体の外から照射し、身体を透過するX線量をコンピュータで処理することにより、身体の連続した断層画像(輪切りになった画像)を取得する検査です。立体的な画像(3D画像)を作ることもできるため、二次元的な画像に留まる一般的なレントゲン検査よりも詳細な情報が得られます。
レントゲン検査による画像
一般的なレントゲンで胸部を検査した場合の画像です。
二次元の画像診断となります。

CT検査による画像
上記レントゲンと同じく胸部をCT検査した場合の画像です。三次元にて任意断面での診断が可能です。

CT検査で評価できること
CT検査で評価できること
CT検査の対象は頭部、顔⾯、頸部、胸部、腹部、四肢など全⾝に及びます。
また、⼀度の撮影で、⾻が⾒やすい画像、肺が⾒やすい画像、臓器が⾒やすい画像など、それぞれの評価に適した画像を作成することができるのもCT検査の特徴の⼀つです。

頭部CT検査
頭部CT検査
頭部のCT検査では、脳出⾎やくも膜下出⾎などの出⾎を伴う病気や⾻折、副⿐腔炎なども確認できます。

胸部CT検査
胸部CT検査
胸部のCT検査では、肺がん、肺炎、気胸、胸部⼤動脈瘤、⼼臓疾患などの病変が発⾒されやすいです。腹部のCT検査では、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓‧⼩腸‧⼤腸などを調べますので、腹部の臓器に発症するがんや炎症を疑うことができます。
内臓脂肪CT検査
内臓脂肪CT検査
CTで腹部を撮影することで、メタボリックシンドロームの引き金となる内臓脂肪、皮下脂肪のつき方や数値を確認する検査です。検査時間は5分程度と短く、またおへその周りを数cmしか撮影しないために被爆も少なく、安全に受診していただくことができます。
当院では内臓脂肪を計測できるCT装置を導入しております。
内臓脂肪CT検査により内臓脂肪、皮下脂肪を計測することで、内臓脂肪型肥満の早期発見につながり、メタボリックシンドロームの予防にもつながります。
日本のメタボリックシンドロームの診断基準では、「内臓脂肪型肥満は、臍(おへその位置)の腹部断面での内臓脂肪面積100cm2以上」とされていますが、内臓脂肪面積を直接測定することは日常臨床の場では容易ではないため、特定健診などでは腹囲の測定により代用され、男性85cm以上、女性90cm以上で内臓脂肪型肥満を疑います。

内臓脂肪CT検査の勧め
最近、ウエストが気になってきた方、健康診断で血圧や脂質、糖の値が高くなってきた方、一度自分のおなかの様子を見てみませんか?
メタボリックシンドロームとは、内臓の周りに脂肪が蓄積する内臓脂肪蓄積型の肥満の方が、高血圧・高血糖・脂質代謝異常(生活習慣病)といった動脈硬化危険因子を2つ以上併せ持つ疾患のことです。
「太っている」のがメタボではありません!

CT検査の方法と流れ
CT検査の方法と流れ
当院では造影剤を使⽤しない単純CT検査を施⾏しております。
問診‧同意書の記⼊は必ず皆様にお願いしております。体調や既往歴、妊娠の可能性などを確認します。
担当技師と問診の確認を⾏います。
撮影範囲に⾦属がなければ基本的に着替えは必要ありません。

検査室に⼊室し、ベッドの上に仰向けに寝ていただきます。

担当技師が撮影を⾏います。撮影部位によっては息⽌めの合図が流れますので、
合図にあわせた息⽌めをお願いいたします。
画像に不備が無いかなどの確認後、検査終了になります。
CT検査の際のお願い
CT検査の際のお願い
- 妊娠されている⽅、妊娠の可能性がある⽅は原則CT検査を受けていただくことはできません。
- 下記に該当する方は必ず事前にお申し出ください。
- ⼼臓ペースメーカ、ICD(植え込み型除細動器)、インスリンポンプ‧持続グルコース測定器等の医療機器を装着されている⽅
- 体内に取り外しのできない⾦属がある⽅
- 1週間以内にバリウム検査を受けられた⽅
- 腹部のCT検査を受ける⽅へのお願い
- 原則、検査前6時間以上の絶食が望まれます。ただし、急な検査時は絶食なしでも撮影可能です。状況に応じて対応いたします。
- 砂糖やミルクの⼊った飲み物はお控えください(お⽔やお茶などの⽔分はとっていただいて構いません)。

もっと知りたい!CT検査のQ&A

もっと知りたい!CT検査のQ&A
ここでは、CT検査を初めて受ける方がよくご質問される事項を記載しております。
放射線の被ばくは⼤丈夫ですか?
レントゲン検査と同じように「X線」を使⽤するため、放射線の被ばくを避けることはできませんが、CT検査による健康への影響はほとんどないとされています。⼀般的に、健康被害を引き起こす被ばく量は「100mSv以上」と⾔われています。当院のCT検査では、撮影⽅法‧部位にもよりますが、1回あたりの被ばく量は「5〜30mSv」程度です。また、被ばくした細胞のほとんどは、数⽇以内に修復されます。
当院のCT装置は、できるだけ被ばくを少なくする技術が取り⼊れられています。撮影範囲や回数を必要最⼩限にとどめ、安全に配慮した検査を⾏っています。
CT検査は痛いですか?
CT検査は痛みを伴いません。 検査中はベッドに横になっていただき、機械が⾃動的に動きながら画像を撮影します。
CT検査はどのくらい時間がかかりますか?
CT検査の時間は通常、5分程度です。撮影部位によっては息⽌めをお願いすることがあります(10秒〜20秒程度)。検査⾃体の時間は短いため、⽐較的負担なく受けられます。
検査の結果はいつ分かりますか?
検査後すぐに画像処理を⾏い、当院院⻑が読影をし、その後診察で結果の説明になるためその⽇のうちに結果をお伝えすることができます。検査の内容によっては、外部の読影専⾨医に依頼をし、院⻑とのダブルチェック後に結果をお伝えすることもあります。その場合は予約を取っていただき、後⽇結果をお伝えします。
腹部CTの前に絶⾷するのはなぜですか?
腹部臓器の⼀つである胆嚢が収縮して胆嚢を観察しにくくなることや、胃や⼗⼆指腸など腸管に⾷事が残っていると腸管や周囲の臓器の観察がしにくくなり診断に⽀障が出る可能性があるからです。
妊娠中でもCT検査を受けられますか?
妊娠中の⽅は、CT検査を避けたほうが良いと思われます。 もし妊娠しているか、妊娠の可能性がある場合は、必ず事前にスタッフにお知らせください。妊娠初期の影響を避けるため に、可能であれば他の検査⽅法(超⾳波検査等)を検討することがあります。
CT検査後、仕事や⽇常⽣活に⽀障は出ますか?
CT検査後は、⽇常⽣活に⽀障はありません。制限もないため、通常通りの⽣活をしていただいてかまいません。
⾼齢者や⼦どもでもCT検査を受けられますか?
⾼齢の⽅やお⼦様でもCT検査は安全に受けられます。 ただし、特にお⼦様に関しては、被ばく量を最⼩限に抑えるため、検査を特に慎重に⾏います。年齢に限らず、体調や持病に応じて医師が適切に判断しますので、事前にご相談ください。